2009/05/27 (Wed) あの頃は・・

映画おくりびとがヒットして、納棺師という言葉が頭に定着した。
かーさんが亡くなった時に、葬儀社の人が来て、支度をしてくれたけど、そこにいたのは、私とおとーさんだけだった。
かーさんを棺に納めるとき、私は頭、おとーさんに体を持つようにと指示が出て、納棺師さんは足を持っていた。
私は頭と言っても、シーツを持ったに近い。
それでも、かーさんはとても冷たかった。
体をささえたおとーさんの手はきっと冷たかっただろう。

亡くなったばかりの時に、手のひらで体を触って、歳を重ねてできたしわ、そして、まだ残るぬくもりをその手に焼き付けた。
亡くなったばかりだったからかもしれないけど、それは何の抵抗もなく、怖くも気味悪くもなかった。だってかーさんだもの。
かーさんは、病気で痩せることもやつれることもなくとてもきれいにふっくらしたままで亡くなった。

たった３人だけの納棺。
あれから１４年・・・今日はかーさんの命日。
あの日は、五月晴れの１日だった。