Bitter Cafe
苦くて渋くて辛くて酸っぱい日記
「チャイコフスキーの舟歌っていいな、弾かない?」
家にあった中級レベルの楽譜の中にその曲はあった。
全編通して難しいというイメージではなかったけど、手が小さくて、譜読みが適当で、不器用な私は、中間部ですぐにあきらめた。
私は華やかな曲が弾けない・・・スキルが足りないから。
ちょっと悲哀感のあるゆったりした曲を選ぶことが多い。
以前、先生が交代する時、
「流れるような曲が好きな人」と引き継ぎがあったと聞いた。
舟歌は、少し重かった。私がボチボチ弾くともっと重くなった。それほど興味を示さないおとーさんまでも、
「なんだか重たい曲だ」
と言った。
すごく好きな曲じゃないから、弾いていてもちょっと熱が入らなかった。
「私には難しいし、ちょっと重たい」
リクエストしてくれた人にそう答えた。
「そうだね、ちょっと重たいね」
この時、その人の命が長くないことを知っていた。その人自身も知っていた。
リクエストに応えなくていいのかな?
何度か弾きなおしてみた。でも、やっぱり途中で放り出していた。
その人はもういない。
改めて弾こう、発表会で弾こう。
その人が、どこかで聴いていてくれる・・と思うこと、それは少し違う。
応えよう。自分自身に応えよう。
明日は、発表会。
家にあった中級レベルの楽譜の中にその曲はあった。
全編通して難しいというイメージではなかったけど、手が小さくて、譜読みが適当で、不器用な私は、中間部ですぐにあきらめた。
私は華やかな曲が弾けない・・・スキルが足りないから。
ちょっと悲哀感のあるゆったりした曲を選ぶことが多い。
以前、先生が交代する時、
「流れるような曲が好きな人」と引き継ぎがあったと聞いた。
舟歌は、少し重かった。私がボチボチ弾くともっと重くなった。それほど興味を示さないおとーさんまでも、
「なんだか重たい曲だ」
と言った。
すごく好きな曲じゃないから、弾いていてもちょっと熱が入らなかった。
「私には難しいし、ちょっと重たい」
リクエストしてくれた人にそう答えた。
「そうだね、ちょっと重たいね」
この時、その人の命が長くないことを知っていた。その人自身も知っていた。
リクエストに応えなくていいのかな?
何度か弾きなおしてみた。でも、やっぱり途中で放り出していた。
その人はもういない。
改めて弾こう、発表会で弾こう。
その人が、どこかで聴いていてくれる・・と思うこと、それは少し違う。
応えよう。自分自身に応えよう。
明日は、発表会。
PR