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Bitter Cafe

苦くて渋くて辛くて酸っぱい日記

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仕事が早めに終わったので、ピアノに行く前にお墓参りに行った。
ご挨拶に行ったら、頻繁に訪れる檀家さんのために、奥様が玄関で待機状態だった。
いつもこのお寺は、面白いものを下さるという話を以前ここでした。
たとえば、キャラメルの箱を思わせる箱に入ったキャラメルの匂いがするお線香とか、非常用懐中電灯とか。
今日は、なすときゅうりのろうそくだった。
開けてみればすぐわかるけど、奥様はご丁寧に、
「これはろうでできているので、火のそばだと溶けてしまいますので、気を付けてください」
というご注意を下さる。
私はすでにスーパーでなすときゅうりの作りものを買っていたので、どうもそれが顔に出てしまった。
「もうお買い求めかしら」
「はぁ・・いえ、使わせていただきます」
「もうちょっと早く差し上げればよかったわねぇ」
なんてことを奥様に言わせてしまう失礼な檀家である。

このなすときゅうりのかぶりがピアノにも尾をひいたというのか・・・

先生から、私の弾くベートーヴェンの悲愴第二楽章がかぶったと聞いた。
しかももう一人はすんげーうまい人で、いつもは一等最後かその前あたりで弾く実力者だけど、今年プログラムを決めたのは、情報を持たない新人講師だったので、ばーらばらで、このすんげーうまい人は前から3番目くらい、私は終わりから3番目くらいという下剋上になっているという。
すんげーうまい人は、私が初めて出た発表会で、私の出演する部の前の部の終わりあたりで弾いていて、もうすぐ私たちの部になるからと中に入ったら、この人だったという・・つまりこの教室の発表会で私が初めて聞いた演奏だった。大人の演奏ってみんなこんなにうまいのかぁとビビったけど、自分たちの部が始まったら「一体どういう曲なんだろう」と思うような演奏が続いて、安堵した。
その後、いつもうまい演奏をしていた彼女だけど、ここ2回ほど、「どうしたんだろう?」と思うような間違いもあり、さらに演奏グレードを下げていた。
そんなこともあり、去年は、先生に「彼女の背中が見えてきた」なんていう私にしては珍しいビッグマウスを叩いたけど、先生は「うん」とも「すん」とも反応せず、言ったことを後悔していた。
そして、今年、背中が見えるというより、彼女が後ろに下がってきて、彼女にとっては「楽」な曲、私にとっては「一杯一杯」な曲でそろってしまった。

なんだか弾いている間ずっと「嫌になって」いた。
という、かぶりがテーマの1日であった。

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