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Bitter Cafe

苦くて渋くて辛くて酸っぱい日記

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昔うちのおばーちゃんは、自分がちょっと接点を持った「権力のある人」に対して、
「あの人とは懇意」
と言う言葉をよく使った。それがステータスでもあるかのように。
以前の職場で、政治家と写真を撮ったり、国会のどこぞに入ったとかいうことを「ステータス」にする親分がいた。
地元の銀行のお偉いさんが来ることになった時も、後継ぎアホ息子と一緒に、
「いかにもって人がくるはず」と勝手に決めていたけど、私はそのお偉いさんを見たことがあったので、「いかにも」でないことはわかっていた。
実際に来たのは「いかにも」でない人だったので、アホ息子も「あれ?」という顔になっていた。

何が言いたいかと言うと、みんな「偉い人」を知っていると思いこむことで、自分に箔がついた(この字?)気になっておめでたい。

今日もおめでたい話があった。

スーパーで買い物をしていたら、ご近所の「うるさいばーさん」に会った。
この人は、うちのおとーさんが入院した時に、どこどこの病院の循環器科と言った途端に、「何とか先生?」と、自分の知っている名前を出した。
もしこの医者だったら、
「私の知っているいい医者だから、私の名前を出してみな」
というだろうなと思った。ざーんねんながら、何とか先生は循環器科にはいなかったし、たとえいても、おとーさんはこの人に助けてもらうこともなかったであろう。
おとーさんがお世話になっていたケアマネジャーにもその話をしたら、「いるよねそういう人」という、もっとも単純な結論に達した。

そして今日、私が中耳炎で医者に行っていると言うと、どこの病院か聞くので、医者の名前を答えると、
「あんまり良くない」
という。
「あんまり良くない」というのは、「あんまり知らない」と同義語である。
実際知っていて、誰それのよろしくない噂でもあろうものなら、
「あーんた、あそこはね」
になるであろう。
私は、すごく信用してこの耳鼻科に行っているわけではなく、仕事帰りでも時間的に間に合うし、空いている(こりゃ危ないか)から。
それからばーさんは、うちのおとーさんが入院していた病院の耳鼻科の名前を出してきたので、
「そこには絶対!行かない」と主張しておいた。
よくわからないけど、ばーさんは、「そこじゃなくてね、隣町の」というけど、同じ名前の耳鼻科は他にはない。
ここでこのばーさんとケンカしても仕方ないので、
「仕事帰りに行けるとこじゃないと困るから」
と答えておいた。
もし私が、
「行ってみようかな」
と、素直なことを言ったりしたら、
「私の名前を出してみな。うーんとよくしてくれるはずだから」
と言うだろう。
うーんとよくしてもらうってどんなんだろな。
鼻の中つるつるに磨いてくれるとか、一瞬で耳が2倍くらい聞こえるようになるとか・・・。

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