2012/04/16 (Mon) ひと山ふた山

今日からわたしたちの家の解体が始まった。
足場を組むところで終わると聞いていたけど、結構あちこち外されていた。
こんなこと言わなくても誰だってわかることだけど、ここまで来るためにいくつも山を越えてきた。

まず一つ目は、業者を選ぶという山。
４つの業者を紹介してもらい、自分から聞いたり聞かれたり提案されたりしながら、友達一人なくして、一人で選定した。
ここにしようかなと思っていた所が、ギリギリになって、この業者で建てた人の「悪評」を聞くことになり、一気に他社へと動いた。
去年の８月から面談を始めて、決定したのは１２月だった。

選択した業者とのプランの打ち合わせがしばらくうまくいかなかった。
担当の設計士からの提案や自分の提案に対するPRが積極的になされず、営業に託されたままとなっていて、最終的に私が「後悔すれすれである」と文句を言って、設計士が「びくびくしながら」やってきた。
その後、丁寧な提案がなされ、あの時言わなかったらどうなっていただろうかと考えた。
ただ・・あの時もう少し自分の提案をPRしてくれていたら、おそらくこれから建つであろう家の向きも「日本人の常識」に沿っていただろう・・私の家は日本人の常識からはずれてしまった。

仮住まいはピアノの先生に紹介していただき、たぶんここになるだろうなというところで、引っ越し業者選定に入る。
ネットで４件紹介され、そのうち１件は無能な営業が来たので、私に怒鳴り散らされて退散し、もう１件は安さが受けてかなかなか見積もりに来られないと言うので２件残り、そこに自分で２件加える。
サ〇イとア〇さんが値下げ合戦となり、私はそこに巻き込まれ数時間頭がひっくり返るほどの渦の中にいた。
サ〇イの方が高いものの、知人の評価もあって決定する。
その際サ〇イの営業トークに、
「うちは本来洗濯機のホース取り付けは有料で専門業者が行きます。今回は、専門業者が行きますが無料にします。ア〇さんは無料ですが引越しスタッフがやるので水漏れしますよ」と言う。よーーく覚えておいた。

中間期末テスト２週間前から準備する学生時代の自分は今もそのまま。
引っ越し荷物は業者選定時にはすでにまとめ始めていた。
そのため、最後の我が家の写真は荷物が積まれていてなかなか撮影できず。
そして、荷物も引越し当日までに近所で借りた台車を使って、相当運んでしまった。

引越し当日、スタッフは男女。
洗濯機の取り付けの専門業者の話がスタッフに伝わっていない。彼には悪いけど、専門業者にやってもらいたいと希望する。それでもまぁ出来ればいいわけで、少し甘く見ていたら、古い長屋の水道はそう簡単ではなくスタッフのスキルでは水漏れした。
当然私は営業にクレーム。
「言ったよね、ア〇は無料だけどスタッフだから水漏れします。うちは専門ですよ、それを無料にするんですよって。え？言ったよね、言ったよね！！！！！」
専門業者別に手配される。
営業とスタッフと言うのは本来の仕事と違い、連絡が密でなく引き継ぎもしないらしい。
サ〇イがそうなのかこの業界がそうなのかこの営業だけがそうなのか。

翌々日サ〇イでない業者にピアノを運び出してもらうことになっていたので、前日、最後のピアノを弾く。
同じ場所なのに誰かがそこで聴いているような気がした。

そして予定通りピアノと半年お別れした。
見た目はやんちゃなにーちゃんたちだったけど、力もあるしなかなか話しやすいいいやつらだった。

そして今日解体が始まる。
ご近所２件の解体は、挨拶なしのいきなりだったこともあって、私はご挨拶をお願いしていた。
といっても私は工務店の人と一緒に地鎮祭後に品物を持って行こうということにしていたので、今日は解体業者に任せていた。
ところが、朝、もっとも近いところでいつも私の話を聞き続けてきた親父から、挨拶は来ていないと言われた。
こいつは、「あんたが今、近所を周ればいいんだ」と命令してきた。
作業が始まったところで私が一人で周るのか。
工務店に連絡するために離れたところで電話をしていたら、
「全く言うことをきかない」と指を差された。
結局数日前に親父のところに挨拶は行っていて、相当長く話をしたらしい。でもタオルがないと挨拶とは思わないようだ。
一旦、仮住まいに戻って、悔しくて泣いた。
悔しいだけなのか、家との別れが淋しいのか・・。

あといくつ山を越えるのだろう。
がんばれ、がんばれ。