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Bitter Cafe

苦くて渋くて辛くて酸っぱい日記

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もう、何度こんなことをここで書いてきただろう。
かーさんは、一人娘の私を大事に大事に愛して育ててくれた。
私にできないことはなんでもやってくれた。私は一人でできることがあまりなかった。
大学生になって一人暮らしを始めても、一人で何かをするのが面倒だったので、よく帰省した。特に食事の支度が苦手だった私のために、また一人の部屋に戻る日は、3日分くらいの料理を持たせてくれた。朝からの授業でなければ、朝戻る私のために、ものすごく早起きして作ってくれた。
そんな私だから卒業後は、地元で就職した。残業が多い金融機関だった。といっても、夜7時でも、かーさんは、外に出て待っていたし、職場近くまで来てしまうこともあった。
会社の飲み会などは、寝ないで待っているので、時間が気になって、なかなか入り込めないこともあった。
私は恋愛なんでできるわけないと、自分の溺愛ぶりがその一因であることなど思いもせず、縁談を山ほど持ってきた。かーさんの、そんな気持ちが重たくなっていった。

やがてかーさんは病気になった。立場は逆転したけど、私には、かーさんを全身全霊を込めて看病することも助けることもできなかった。

かーさんが亡くなってから、私にはごく自然に「恋愛」というものがやって来た。
人として独立したと思った。

おとーさんがぼけてから、より一層、自分がやらなければと思うことが増え、あれだけかーさんに頼っていたことを一人でやるようになっていた。
一人でできればいいんだと思うようになった。

家を建てると決めたとき、とにかく、結果を出そう。私の力で結果を出そうと思った。
検討する業者の中には、これだけのことをやっている私を称えてくださる方もいた。

私はなぜ家を建てるのだろうか・・・ずっと考えていた。

おとーさんの葬儀の時、全部一人だったといっても、「あーら、みんなひとりよ、ひとりでやってんの」と叔母に言われた。
時々ここに登場する業者を紹介してくれた友達は、自分と違う「乱暴な私」の暴走ばかりが気になるらしく、何を言っても、「よくやっている」という一言は出てこなかった。
断ることになった業者へ、気持ちを込めてお詫びをしても、彼女に称えられたのは、こんな乱暴者とこれまでつきあってくれた業者だった。

結局私は一人でやったことの結果が欲しいのだ・・そして、「よく、がんばった」と言われたい。
ほめられたい「子供のようなおばさん」なのだ。

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