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Bitter Cafe

苦くて渋くて辛くて酸っぱい日記

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午前中掃除して、午後から録画してあった「家族貸します」を見て、おとーさんを思い出してしんみりじんわりして、大家に家賃を払ってから、発表会に行った。

5月に腱鞘炎を発症してから、使わないことが一番の治療と言われながらも、欠席の決断ができず、いくつもの「あきれ顔」を見せられ、それでもここまで来てしまった。
注射は、まだまだ効果を継続させている。それでも久しぶりにテーピングのない1日は、私としてはそれなりの冒険だった。

出演者19人中13番。
最後の5人くらいは上級者という、ノーマルなプログラムにあって、その中に「この人よりは・・」という名前を見かけて、負けず嫌いとしては、ちょっとムッとしていた。
それならば、前半のなんだかわからない曲を弾く人たちの後ろにくっついて「それっ」と後半に勢いをつけるような元気なピアノを弾いてやろうと思った。
緊張するくせに。

確かに緊張した。手も足もがたついていた。
でも、弾き始めの確認も落ち着いてできて、音を外しても弾きなおさず突っ走り、コケてもへらへらせずに最後までたどり着いた。
最後の曲は元気いっぱい弾いた(ちょっと元気すぎた)。
私にとって緊張もせず、間違えもせずなんてことはありえない。
ただ、終わった時に、「なんだか満足な時」と「なんとなく不満な時」がある。

よくわからないけど、今回は「なんだか満足な時」だった。

手の痛みが取れたこととか、なんとなくうまくいったとか、そんなときは、誰かが助けてくれているのかな、おとーさんかな、かーさんかな?なんてことを考えるけど、そんなことはない、みんな行き当たりばったりだったり、自分の力だったり。
だいたい、うまく弾けるところにおとーさんやかーさんみたいな音楽音痴の力が働いてどーよ。
始まる前、初めて参加する人に上級者が、
「私たちなんか、失敗してもくじけないし、楽しんでるものねぇ」
と同意を求めてきたけど、うなづけなかった。
終わったら「うなづけた」

8月そして新居への引っ越し予定の9月はレッスンを休むことにした。
仮住まいの電子ピアノはぼちぼち弾いて、引っ越しと同時に売って、新居で懐かしの自分のピアノと再会の予定。

戻れるかな、また手が痛くなるかな・・でも、絶対戻って来よう。
今日みたいに、ちょっと間違えても、自分が思うピアノが弾けたときの「なんだかわからない満足」は、私のこれからのために絶対必要。

私のピアノを聞きに来てくださった方から、メモ書きの手紙をいただいた。
「すばらしい!やっとピアノの発表会に来たと感じました(これは私の前の弾いた人たちのことを踏まえての話と思う)。手の痛さも見事に克服したように見せている腕前も大したものと感服しました。本当に心打たれました。次も楽しみにしています。頑張ってください」
斜めに受け取らず、お世辞と思わず、正面からいただきます。

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