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Bitter Cafe

苦くて渋くて辛くて酸っぱい日記

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自分の家は間取り的にはかなり普通でなく、それはいい方に転べばいいけど、今のところなかなかそうはいかない。
私は自分がやってしまったこと、言ってしまったことは、できるだけ人のせいにせず、自分の責任だと思うことにすると同時に、人が言ったことに対しては「こういったよね!」という非常に厳しい追及をするところがある。いうなれば「約束」は「契約」に近い。

図面の打ち合わせが始まって数回目に、えらそうな社長打ち合わせというのがあった。
経営者ってのは、多かれ少なかれそうだろうけど、自分ほどのものはいないという驕りのあるこの人は、人からの評価も両極端。これが人をけなさなければもうちょっと別の見方をしてもらえるだろうにと思うけど、持って生まれたなんとかのようである。
この会社は、ここで建てると客が決めるまで、手の内を見せない。こちらの言うことを精一杯反映しようと一生懸命に図面を引く他業者からすると、こっちの言うことなんて、まだまだ先のこと、決まるまでは、こんなもんだけど、お前らにいい家建ててやるから、信用しろ、嫌なら建てるな。という感覚で来る。
そして、社長は、
「そうしないとね、うちと契約しないで、うちの図面使って建てた家ってのが、安っぽいわけよ。ひどいんだよね」
とかなんとかいう。
例外はあるだろうけど、家を建てる業者ってのは最初から、「うちの家は、安っぽくてひどい家だから、他のどこにも勝てません」
なんて感覚で建ててはいないし、みんな「うちはいい家です」という気持ちを持っている。
一番だか何だか知らないけど、自分のとこで建てた家以外はみんなカス。だから、うちの図面は絶対他では建てさせない。などというい余計なプライドと狭い了見で、仕事をされると、時に、その余波を食らうのが客である。
まだ見ぬ図面、手探りのまま契約した自分は、やっぱりどこかおかしかったのかもしれないと思う。
もちろん、自分の家は嫌いではない。でも、間取りは嫌いだ。
この家は、自分のものであってそうでない・・・両親の気持ちを受け継いだ家だから。
おとーさんは、私に怒り散らされていたけど、それでも亡くなるちょっと前に言ったんだ。

「お前には幸せな人生を送ってもらいたいよ」

私の建てた家は、私の幸せな人生の手助けになるんだろうか。

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