Bitter Cafe
苦くて渋くて辛くて酸っぱい日記
私が初めて「おばちゃん」と呼ばれたのは、大学生の時。ショッピングセンター内の店で、バイトをしていたら、迷子が「おばちゃん、おかあさんがいない」
と言ってきた。「おばちゃん」に戸惑ったが、後に、子供は、年齢にかかわらず、大人を「おばちゃん」と見ることを知った。
20代の頃、友達が結婚し始め、「所帯を持って」、「子供ができたり」すると、近所の子供たちは、迷わず「おばちゃん」と呼ぶことを知った。もちろん、所帯を持たなくても、近所に子供がいれば、「おばちゃん」だったかもしれないけど、そういう環境ではなかった。
お向かいに3人の子供のいるご夫婦が越してきて、以降、その3人の子供たちからは、
「おーばーちゃん」と呼ばれ、とび蹴りされたり、石を投げられたりしながら、その言葉を受け止めている。
ある日、この子たちの話を私と年代の変わらない友達にしたら、「おばちゃん・・?」と言われた。シングルの彼女は、近所のこどもとのつながりがなく、親族の「叔母」にもなっていないので、今の今まで、「おばちゃん」と呼ばれることはなかったらしい。つまり、自分は、「お姉さん」だと思っていたのだろう。
さて、私は、近所の子供たちにとっては、「おばちゃん」でも、兄弟がいないから「叔母」ではない。
そして、私の両親も、私が生まれ、親族にも子供(つまり私にとってのいとこ)ができてからは、一般的な意味での「おじちゃん」「おばちゃん」だった。
ところが、両親とも、私に子供がいない、つまり孫ができないため、「おじいちゃん」「おばあちゃん」という言葉が身に付かないまま、歳を重ねていった。
母は、病気で入院したとき、小児科の子供たちも同じ病棟にいて、子供と遊ぶことの好きな彼女は、プレイルームのようなところで、子供たちとよく遊んでいた。母はその時50代だった。まぁ孫がいてもおかしくない年齢ではあったけど、見た目も含め、一般的には「おばちゃん」の部類だと、私も母も思っていた。ところが、とても気配り上手な大人っぽい子供から、普通のことのように「おばあちゃん」と呼ばれ、一瞬、この部屋に他におばあちゃんと呼ばれそうな人がいないか、あたりを見回したものの、自分しかいなかったので、これは自分のことなんだととてもショックを受けたと、私に言ったことがある。
そして、父は、母の死後、それなりの歳を生き、後期高齢者になり、ボケ老人にもなり、年齢からすれば十分「おじいちゃん」だったけど、父が亡くなった後、お向かいの奥さんから父の話が出たときに「おじいちゃん」と言われて、今度は私が一瞬、私が戸惑った。お世話になったケアマネジャーからも「おじいちゃん」と呼ばれていたように思う。どうやら、父というより、孫を見せられなかった、私が、父を「おじいちゃん」と思わずに来てしまったらしい。
ずいぶん回りくどい言い方になってしまったけど・・・・
今日は、去年亡くなった、父方の伯母の一周忌だった。
伯母とは義理関係だったので、直接血縁にない親族と顔をあわせた。そのうち伯母の妹にあたる人は、声楽家で、子供の頃、私はこの人にピアノと歌を習っていた。すでに80歳手前で、ずっと、独身で、一人で生活をしてきた人である。去年葬儀で数十年ぶりに顔を合わせたとき、一瞬、誰かわからなかった。体調を崩していたこともあるが、十分お年寄りになっていた。
ところが、今日、食事の席でこの人が、
「今日、来る途中、電車の中で、小さい子供が、私の前に、手をパッと出したの、そしたら、この子のお母さんが、だめでしょ、おばあちゃんにって言うのね。私、おばあちゃんって言わたのよ」
という。この話を聞いていた親族は、彼女への遠慮から「あなたおばあちゃんよ」とは言わないまでも、この人はおばあちゃんだと思っただろう。
もちろん、よく、他人から「おばあちゃん」と呼ばれると、「わたしゃあんたのおばあちゃんじゃないよ」と答えるという話があるから、このお母さんも「失礼」なことではある。
ただ、シングルか所帯持ちかで、このおばちゃん、おばあちゃんが肌になじまない、聞きなれない、受け入れられない人もいるんだなと改めて思った。
今日は、ウォーキングしながらも、ずっとこの「おばちゃん」「おばあちゃん」の定義について考えていた。理屈っぽい人間だな相変わらず私。
と言ってきた。「おばちゃん」に戸惑ったが、後に、子供は、年齢にかかわらず、大人を「おばちゃん」と見ることを知った。
20代の頃、友達が結婚し始め、「所帯を持って」、「子供ができたり」すると、近所の子供たちは、迷わず「おばちゃん」と呼ぶことを知った。もちろん、所帯を持たなくても、近所に子供がいれば、「おばちゃん」だったかもしれないけど、そういう環境ではなかった。
お向かいに3人の子供のいるご夫婦が越してきて、以降、その3人の子供たちからは、
「おーばーちゃん」と呼ばれ、とび蹴りされたり、石を投げられたりしながら、その言葉を受け止めている。
ある日、この子たちの話を私と年代の変わらない友達にしたら、「おばちゃん・・?」と言われた。シングルの彼女は、近所のこどもとのつながりがなく、親族の「叔母」にもなっていないので、今の今まで、「おばちゃん」と呼ばれることはなかったらしい。つまり、自分は、「お姉さん」だと思っていたのだろう。
さて、私は、近所の子供たちにとっては、「おばちゃん」でも、兄弟がいないから「叔母」ではない。
そして、私の両親も、私が生まれ、親族にも子供(つまり私にとってのいとこ)ができてからは、一般的な意味での「おじちゃん」「おばちゃん」だった。
ところが、両親とも、私に子供がいない、つまり孫ができないため、「おじいちゃん」「おばあちゃん」という言葉が身に付かないまま、歳を重ねていった。
母は、病気で入院したとき、小児科の子供たちも同じ病棟にいて、子供と遊ぶことの好きな彼女は、プレイルームのようなところで、子供たちとよく遊んでいた。母はその時50代だった。まぁ孫がいてもおかしくない年齢ではあったけど、見た目も含め、一般的には「おばちゃん」の部類だと、私も母も思っていた。ところが、とても気配り上手な大人っぽい子供から、普通のことのように「おばあちゃん」と呼ばれ、一瞬、この部屋に他におばあちゃんと呼ばれそうな人がいないか、あたりを見回したものの、自分しかいなかったので、これは自分のことなんだととてもショックを受けたと、私に言ったことがある。
そして、父は、母の死後、それなりの歳を生き、後期高齢者になり、ボケ老人にもなり、年齢からすれば十分「おじいちゃん」だったけど、父が亡くなった後、お向かいの奥さんから父の話が出たときに「おじいちゃん」と言われて、今度は私が一瞬、私が戸惑った。お世話になったケアマネジャーからも「おじいちゃん」と呼ばれていたように思う。どうやら、父というより、孫を見せられなかった、私が、父を「おじいちゃん」と思わずに来てしまったらしい。
ずいぶん回りくどい言い方になってしまったけど・・・・
今日は、去年亡くなった、父方の伯母の一周忌だった。
伯母とは義理関係だったので、直接血縁にない親族と顔をあわせた。そのうち伯母の妹にあたる人は、声楽家で、子供の頃、私はこの人にピアノと歌を習っていた。すでに80歳手前で、ずっと、独身で、一人で生活をしてきた人である。去年葬儀で数十年ぶりに顔を合わせたとき、一瞬、誰かわからなかった。体調を崩していたこともあるが、十分お年寄りになっていた。
ところが、今日、食事の席でこの人が、
「今日、来る途中、電車の中で、小さい子供が、私の前に、手をパッと出したの、そしたら、この子のお母さんが、だめでしょ、おばあちゃんにって言うのね。私、おばあちゃんって言わたのよ」
という。この話を聞いていた親族は、彼女への遠慮から「あなたおばあちゃんよ」とは言わないまでも、この人はおばあちゃんだと思っただろう。
もちろん、よく、他人から「おばあちゃん」と呼ばれると、「わたしゃあんたのおばあちゃんじゃないよ」と答えるという話があるから、このお母さんも「失礼」なことではある。
ただ、シングルか所帯持ちかで、このおばちゃん、おばあちゃんが肌になじまない、聞きなれない、受け入れられない人もいるんだなと改めて思った。
今日は、ウォーキングしながらも、ずっとこの「おばちゃん」「おばあちゃん」の定義について考えていた。理屈っぽい人間だな相変わらず私。
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