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Bitter Cafe

苦くて渋くて辛くて酸っぱい日記

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私はそこそこ本が好きだ。
ただし、余程のことがなければ「文庫化」してから読むことにしている。
書店にある文庫というのは、出たばかりの平積みの時は目立つものの、時がたつと棚に収まってしまい、見つけにくくなるので、「読みたい」と思ったときに「買って」、しばらくは積読状態になっている。
読まれることを待っている文庫が結構あるけど、「積読」で終わらず、まちがいなく「読む」ので心配はいらない(だれも心配しないか)。

さて、少し前に、地上波で「ツナグ」が放送された。
新聞のテレビ欄で内容をチェックして、録画をした。
さて見ようかな・・・というところで、積読の中に、この本があることに気付いた。買ったことは忘れていた。
人によって違うだろうけど、通常、私の順番は「本」→「映画」なので、見る前に読まねばならない。ということで、順番待ちしていた他の本を押しのけ、いつもより早いペースで読んだ。

ご存知の方も多いだろうけど、内容は、生きている人と亡くなった人をツナグ、使者の話である。
生きている人が会えるのは、1人だけ。亡くなった人も会えるのは1人だけ。
死者は生者にリクエストはできない。
死者は、生者からリクエストがあっても、他に会いたい人がいれば断ることがある。

そこで、自分を考えた。
私が1人誰かに会えるとしたら、両親どちらかであろう。ここがかなり悩みどころだ。
どちらにせよ会えたら何をしたいか。ひたすら謝りたい。外からはわからなかっただろうけど、私は相当ひどい娘だったし、病気になったかーさんや、一人ぼっちになったおとーさんにとっては「乱暴極まりない娘」だったから。本の中にもあったけど、これは生者のエゴかもしれない。それでも生者は、自分のわだかまりや持て余す気持ちを整理するために死者に会う。その繰り返しなら、それはそれなのかもしれない。生死お互い様だ。
両親以外にも会いたい人がいる。聞きたいこともある・・・これは私にしかわからない疑問だ。
とはいえ、両親以外は、死者にとっての1番にはなれないから、私は遠慮するしかない。先に「とーった」というわけにもいかないし、断られるだろう。

そして考える。

私は、生者の誰からも指名してもらえない。
家族がいないから、誰にとっても順位が低い。

所詮小説の中の話だ。そうは思うけど、やっぱりね。
さて、次の本を読もう。

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