2015/10/14 (Wed) ご冥福

新聞に、高校時代の物理の先生を見つけた。
私は先生のことをよく知らなかったけれど、公害問題に関する活動家で、それについての記事であり、なぜそれが今取り上げられたかというと、先生がお亡くなりになったから。
そういえば、物理部の研究が何らかの賞を取ったようなかすかな記憶があり、さらに、環境汚染に関する調査が、すべての生徒になされたっけ。
私は、物理が大層苦手で（苦手は物理だけではございません）、どーしようもない点数を取ったことがある。他のどの科目でもこんな点数を取ったことがない、本当にひどい結果だった。
隣の席のまり子も同じくだったけど、彼女は、作文が得意で、ちょっとしたコメントをテストに残したりしていた。この時も、まず結果が見えていたようで、答案用紙に、短いコメントを残したところ、先生から、その数倍に及ぶ返信文が書かれていた。
声を荒げることのないやさしい方で、ちょっとなよっとした感じもあったので、イメージから「ピンク」というニックネームで呼ぶ生徒もいた。
私のイメージは、高校の時の先生のまま止まっていたけど、新聞に載った写真は、その面影を少しだけ残す、年齢を重ねた先生だった。

ちなみに、まり子は、世界史の先生にもコメント付き答案を提出していた。
この時の、まり子のコメントは、「先生だめです。涙の一声」
そして、返ってきた答案に書かれていたのは「泣くな、明日がある」
この時の世界史の先生は、私とまり子の２年時の担任でもあり、私はずっと年賀状を出している。
中には３年の担任をさしおいて、結婚式に呼んだ生徒もいた。私にとっても思い出深い先生で、高校生活の半分以上は、この先生のおかげで楽しく過ごせた・・と感じている。
ただ、うちのおとーさんの高校の２年後輩ということで、私の記憶に残る先生からは、ずいぶん離れていいるんだろうなと、勝手に思っている。

こうして、自分が歳を取るに比例して、みんな私の知らないところで、日々歩んで、歳を重ねていく。
この時、先生に向けてコメントを残したまり子は、もうどこにもいない。
どんなことをしても、戻りたくても、戻れないあの頃、そしてみんな。
人は、そんなに暇じゃないから、私は、どこの誰にも思いだされず、こうして私を生きてるんだな・・・先生のご冥福を祈りつつ。