2016/04/14 (Thu) どうでもいい話

催し物のチケットも販売する私の仕事。
それぞれの公演によって購入者の年齢層もキャラクターも違う。
まぁだいたいこんなもんだろうなと予想のつくファンというのもいる。

私も好きなアーティストが複数いる。
若い頃は、根拠も何もなく、好きなアーティストに嫌われたくないからいい子でいたい的なことを考えていた。
「好かれて何になる」
と言われて、そうだよなぁと思った。

すでに６０代、俳優でもあり歌も唄う人のチケットを取り扱う。
この人のファンは、大層個性的（良く言えば）である。
とにかく１列目にこだわる。
あらかじめ、どこの席が来るか頻繁に問い合わせがある。
購入のために並んだ人が買い占めることを禁止する貼り紙をせよと訴えてくる。
ものすごく売れる公演の場合、制限もするが、この公演は完売の可能性が薄いので、そんなことしたら、残ってしまう・・なんてことは、言ったってわからない。
だって、自分が１列目ならいいわけだから。
１列目でなければ・・・許せないらしい。当然１列目は限られる。
１列目が購入できるなら手段をえらばない。1人で複数日外で寝袋にくるまって並ぶ。

繰り返すとこの公演の俳優兼歌い手は６０代である。

どうもうちの職場のボスは、うちで販売する１列目座席数を問われて間違えた情報を伝えてしまったらしく、今日は、そのクレームが来た。
「１列目が少ないなら並ばなかった」
まだ発売日ではないんだから、とっとと帰ればいいではないか・・・と言いたいところだけど、言えない。
この人たちも「だったらどうすればいいのか」結論はない。
単に、「こう言ったじゃないの」「私たち悲しいのよ」「ねぇ、わかってよ」と言いたいのだろう。
そういうところは、うちの職場のみかこちゃんと同じ人種らしいく、結論はなくても、文句は言わないと気が済まないらしい。
１列目で対象物を見ることができれば、対象物に嫌われてもいい・・と思っているのか、自分の言っていることは正しいと思っているのか・・・。

うちのかーさんは、昔この俳優がブレイクした頃、
「なんでこんな下品な人が人気あるの？」といつも言っていた。
少なくとも、こういうファンを連れてくるこの人は、イメージは落ちる。
とはいえ、私を含むチケット販売に関わる人間のイメージが落ちようと、彼はなーんとも思わないだろう。
「正しい」も「迷惑」も「自分勝手」も伝わらない、誰にとってもどうでもいい話。